イギリスで銀行口座を開設する

やっぱり銀行口座は必要

イギリスで働いて生活するために絶対に必要なものの一つが銀行の口座。

 

スーパーで買い物するだけなら、両替しておいた現金や日本のクレジットカードでも大丈夫です。

でも、給料の受け取りや公共料金の引き落としなどはイギリスの銀行口座がどうしても必要なのです。

 

そしてこれは初めて渡英する人にとっては、最初の難関?のひとつかも知れない。

 

 

難関なら、銀行口座作らなきゃいいって?

いいえ、そんなわけにはいきません。

銀行口座があるとできること、無いと困ること

イギリスでは、銀行に口座がないとできないことがいくつかあります。

 

給与の受け取り

これは一番大事なやつ。

 

短期間の赴任や長期出張の扱いで渡英する人は、もしかしたら日本の企業から給与を受け取って海外送金で済ませる人もいるかもですが、ある程度長かったりすると、イギリス国内での所得がそれなりにあることがビザの要件でもあるので、給与は現地会社からポンドで受けとることになります。

 

多くの企業では、イギリス国外の銀行には振り込んでくれないと思うので現地の銀行口座が必要です。

 

税金の支払い

税金と言ってもいろいろありますが、イギリスで住居を構えて生活する時に「カウンシルTAX」という税金をカウンシルに支払う必要があります。

 

カウンシルというのは、東京都で言うところの区とか市などに近い概念で、通常「ロンドン」というと「ロンドン市」とその周りにあるいくつかの区(カウンシル)を含めた「大ロンドン市」のことを指しています。

自分の住んでいる区に住民税みたいなやつを支払う必要があります。

 

カウンシルによってサービスが違うので、カウンシルTAXにも多少差があります。

 

支払い方法はカウンシルにもよりますがクレジットカード払いに対応してなかったりするので、その場合は銀行引き落としになります。

 

家の契約

契約時のデポジットや、毎月の家賃の支払いに銀行送金が必要になります

 

ケータイの契約

1年とか2年など、期間を定めて自動更新されるような契約をする場合、銀行口座を使って支払い能力の有無、住所確認、そしてクレジットヒストリーのチェックが行われるので銀行口座がマストです。

 

必要に応じてチャージして使うプリペイド型のSIM(Pay As Yoy Go)は銀行口座が無くても大丈夫です。

 

クレジットカードの申し込み

毎月の支払いは銀行引き落としになるので、申し込み時に銀行口座情報の了解入力が必要です

 

車のローン

新車・中古ともに、ローンを組んで購入する場合は銀行引落 or 送金が必要になります。

 

もちろん一括で買う人は現金やクレジットカードでも大丈夫なので、その場合は銀行口座は不要です

 

学校関係

子どもがいる方は学費や各種費用を学校に支払う際に銀行送金が必要になることが多いと思います。

セキュリティ上、現金を受け付けてくれないところもあります。

 

語学学校などは現金やクレジットカードでも支払えるところが多いです。

 

 

何よりもめんどくさいこと

 

①予約が必要

銀行口座を作成するため、いや、それ以前に銀行で何かをするためには予約が必要です。

 

日本みたく、突然思い立って銀行に足を運んでも口座は作れません。というか作らせてくれません。

 

アポ無し突撃した場合を想像してみます。

 

行員「こんにちは。今日は何しに来たの?」

客「口座開設したいです」

行員「OK、予約は?」

客「予約してないです」

行員「じゃあ今日はできないね。予約してからまた来てね」

客「え、、、今日この後予約できますか?」

行員「今日は空いてないね」

客「そうですか、、、いつ予約できますか?」

行員「ここに電話して予約とってね」(難読数字が書かれた紙切れを渡される)

客「はぁ、、、」

行員「See you!」

 

たぶんこんな感じでしょう。

 

このとき、銀行内には客はおらず、ガラ空きです。ヒマそうな行員が同僚とおしゃべりを楽しんでいます。

 

そして何故か予約は電話でしか受け付けてくれません。

 

ロンドンだと、たまに日本人の行員がいる現地銀行もあるので、もしいたら直接お願いできるかもしれません。

 

②住民票がない

これが厄介です。

 

銀行口座の開設には、住所が必要です。

もちろんホテルとかはNGなので、どこかに実際に住んでいなくてはいけません。

 

ただ残念なことに、イギリスには住民票という物がありません

 

日本では役所に行って機会でポチポチして印刷された紙切れを持って行けば、どこでも受け付けてくれますが、この国ではそうはいきません。

 

ではどうするかというと、

 

公共料金の請求書を提示する

 

という方法を使います。日本でも申請先によっては本人・住所の証明資料として使うことができたりしますよね。

電気ガス水道あたりの請求書が認められるっぽいです。ケータイやインターネットのやつはNG。

 

そしてこれが何で厄介かというと、イギリスに到着して最初に銀行口座を開設したい頃は、だいたい、同時に家を探している頃でもあるからです。

 

つまり、住所が定まっていません。

 

そして、それによって

 

銀行口座を開設したい! → 住所証明が必要 → 公共料金の請求書が必要 → 請求書を自宅に届けて欲しい → 家を契約したい → デポジットや家賃の支払いが必要 → 銀行口座が必要!!

 

という無限ループが容易に発生します

 

ほんとカスです、この国のシステム(笑)

 

誰でも分かるステージ1-1のバグが放置されて市場にリリースされています。

 

 

とりあえず無限ループは脱しなくてはなりません。

企業勤めの赴任・駐在で渡英する人であれば、会社にお願いして銀行宛に一筆書いてもらいます。

 

「○○さんは、うちの会社の社員です。予想年収は△△GBPぐらい。家を探していて、仮の住所は□□です。口座を作ったら定住する住まいに引っ越す予定なので、ひとまず口座を作らせてあげてくださいね」

 

的な。Managerとか、それなりの役職っぽい人にサインしてもらい、銀行に持って行きましょう。ひとまず仮の住所で口座を作らせてもらえると思います。

 

 

持ち物

予約を取って、住所証明を用意したら、いよいよ口座開設の日です。

 

銀行にもよると思いますが、おそらく持ち物はだいたいこんな感じなんじゃないかと思います。

 

  • パスポート(原本)
  • BRPカード(原本)
  • 会社の従業員であることの証明資料(原本)
  • 住所証明 or 会社から出して貰ったレター(原本)
  • マイナンバー

 

日本の銀行でよくある、最初に口座に入金する現金とかは必要ないです。

 

住所証明と従業員の証明資料は、会社によっては一つになっているかも知れません。全然問題無いと思います。

 

マイナンバーは、日本のマイナンバーです。イギリスで「あなたのMy numberは?」と聞かれます。mayomemchiは、これを聞かれたときに、最初言っている意味が分かりませんでした(笑)

聞き返したら、日本で個人に付与される番号があるでしょ、と。

国同士の租税条約などがあるので、その人の出身国に応じて似たような情報を収集している様です。

ちなみに、マイナンバーは、マイナンバーカードを提示する必要はありません。通知カードでも良いですし、何ならカード無しで、番号だけを伝えても大丈夫だと思います。(あくまでmayomenchiの時はそうでした、ということで。)

まぁマイナンバーカードなどは日本のカードだから、イギリスの銀行員には書いてあることは分からないでしょうし、真偽確認の術もないと思いますので、番号を伝えると、もう性善説的に受け取るしか無いのかも知れません。

 

やってはいけないと思いますが、ランダムな12桁の数字なら何でも受け付けてくれそうです。

ぬるいシステムだと思いました。

 

口座開設手続き

持ち物を準備して予約の時間に銀行に行くと、ようやくクエストが始められます。

 

担当者の人から自己紹介されて、たぶん個室的なところに通されると思います。

口座開設時は個人情報を取り扱うので、かなり慎重に漏洩を気にしているようです。さすがヨーロッパ(元EUメンバー)だなって感じです。

 

持ち物確認から始まり、個人情報の取り扱いの規約を渡されて、同意書にサインしたり、実際の申込書に記入していったりなど、ここまで来て、やっと日本での口座開設時と似たような感じになります。

 

一つ特殊なこととしては、母親の旧姓を尋ねられる(かもしれない)ところでしょうか。

 

イギリスではよくあるのですが、何かのシステムに登録したりWebサービスにサインアップする際に、本人確認の情報の一つとして、本人しか知らないであろう情報を設定するように求められることがあります。

 

このとき、だいたい使われるのが

  • 母親の旧姓(Mother's maiden name)
  • 思い出の言葉(Memorable word)

なのです。

Memorable wordの方は、アルファベット/数字で10文字という制約が、よくあります。

 

設定した情報は、後のサービス利用時(電話サポートとか、Webで何か重要な操作をする時とか)に求められることが度々あるので、忘れないようにします。

 

割と母親の旧姓に縛って聞いてくる事がよくあるんですが、何らかの事情があって母親がいなかったり、教えたくない場合もあるんじゃないかと思いますので、あえて母親って明記しなくてもいいのではと思ったりもします。

 

全ての手続きが終わると、帰されます。

 

「今から審査して、大丈夫なら口座作るね!口座出来たらカードは住所に届くよ!」

 

みたいな感じです。

その場で口座作ってキャッシュカード発行してくれません。

 

 

カードが到着したら口座に入金

無事審査が通って、口座が開設されると、数日して銀行からキャッシュカードが送られてきます。

 

キャッシュカードの初期暗証番号(PIN)は、別な郵便で送られてくると思います。

 

初期暗証番号のままでも使えますが、別な番号に変えた方がいいでしょう。

 

キャッシュカードのPINは、その銀行の支店にあるATMで自分で操作して変更できる、というパターンが多いと思います。

 

キャッシュカードには、VISAかMasterCardのデビットカード機能と、コンタクトレス機能が付いているので、口座にお金がある限り、日々の生活の支払いやネットショッピングなどで使えるようになります。

 

口座への入金は、ATMで現金を入れる方法もありますが、日本など、他の国の銀行から国際送金する方法もあります。

もしくは会社勤めなら、早速口座情報を会社に連絡して、お給料を振り込んで貰いましょう。

 

もっとおトクに買い物したい!

ちなみに、銀行のデビットカードをそのまま使っても、あまりお得にはならないので、ポイントやマイルなどを貯めたりキャッシュバックがあるカードで、少しでもおトクになりたい!という人は、クレジットカードの作成を検討してみると良いかもしれません。

 

mayomenchi.hatenablog.jp